映画館。
凛久ちゃんは真っ先にポップコーンを買って、お互い飲み物を注文。
シアター内に入ると、そこらじゅうがカップルであふれていた。
俺たちも隣同士に並んで座り、映画の予告などを眺めながらポップコーンをたべる。
しばらくして、映画がはじまった。
内容は、先生と生徒の禁断の恋。…という、ありきたりなもの。
現実、こんなことが起こりうるのか怪しいけど、まあなかなかに面白かった。
非現実的だからか? これが生徒同士の恋だったら、ここまで興味を持たなかったと思う。
途中途中で、凛久ちゃんの横顔を盗み見た。
スクリーンの光に照らされた凛久ちゃんはいつにもましてきれいで…何度も、みとれそうになった。
先生と生徒が”自分たちの関係”という壁にぶちあたるシーン。
凛久ちゃんの顔を見てたら…。
あーあ。
泣いちゃった。
ぽろぽろと、大粒の涙が頬を伝う。
共感して泣いてるの? 感情移入ってやつ?
…凛久ちゃんは、こういうのが憧れ?