【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。





「え、マジ? 夏向誕生日なん!」


「まぁ」


「これ誕プレー」


「雑すぎだろ」





男子が夏向に一口サイズのチョコをプレゼント。
いや…こちとら名前刻印入りのボールペンだぞ…!!





「それ新味。美味いから食ってみ」


「もらうけどさ…」





あー。
もう今日中には渡せないかな。




そもそも、夏向なんて三か月遅れて誕プレ渡してくるような奴だし…。
一日二日遅れたくらいで文句言わないでほしいよね。



…でも。なんとなく、当日に渡したかったなぁ。





カバンの中に入ったままの小包に視線を落としてしょんぼりしていたら。





「…凛久、さっきなんか言いかけてた?」





……っ!




パッと顔をあげた。
夏向が頬杖をついて、あたしのほうをしっかりと向いていて。




…ああ、あたし、この人のことすきだなぁって思っちゃった。




彼氏がいるのに、最低かな?
怒られちゃうかな?




だって。
夏向が、誰よりも優しい。