【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






「名前入りボールペン…刻印してくれるんだって」


「へえ」




いいかも、これ。
しばらくは使えそう。




あたしはとりあえず店頭に並んでるオシャレな文房具たちを眺める。





「これかわいー。木製!」


「かわいい…? どっちかといえばかっこいいでしょ」





そんなどうでもいいことに突っ込まれながら物色していると。
突然、隣から歩夢のものではない声が聞こえた。






「あれ、凛久ちゃんだ」


「…水湊くん?」





偶然。
外でばったり会うの、2回目?




「そっちはお友達?」って言った水湊くんに、歩夢は軽く会釈をする。
こう見えて意外と人見知りな歩夢。ちょーかわいい。





「なに見てるの」


「あ、友達…の誕プレ」





やばい。
変な間、あいちゃった。




夏向のことだってバレませんように…!





「…ふぅん。決まったの?」


「う、うん。名前入りのボールペンにしようかなって」


「いいね。センスいいじゃん」