「別にあゆはそろそろ認めてもいいと思うけどぉ」
…認めるって。
あたしは最初から、夏向のことなんて友達としてしか見てないよ。
「まあ口出す権利ないしぃ。とりあえずあゆははやく帰りたい」
「ちょ、まだ来たばっかりなのに!?」
傷ついた。
あー、傷ついた!!
「めんどくさ」
「…ホントに泣くよ?」
あたしが落ち込みながら言えば、歩夢は笑ってくれる。
「嘘だし」って言いながらね。
かわいいよね、そういうとこ。
「歩夢だったらなにあげる?」
「あゆ? …んー、財布とか、普段使いできるものかな」
財布かぁ。
それもいいね。
靴とかね。
「…あ! 歩夢みて!」
あたしが立ち止まったのは文房具屋さん。
うちら学生だしね、こういうのもありだよね。
そして店頭に立っているこの旗。



