「おまたせーっ」
土曜日。
時刻、13時30分。
「…遅いし」
うん。
つまり、30分の遅刻だよね。
ごめん。歩夢。
「ご、ご飯食べてて…」
「言い訳はいいから。はやく行くよ」
さっさと先を歩き始める歩夢のあとを追う。
結局…なにがいいか、目処すらたってない。
「どこ行くか決まった?」
「…き、決まってない」
「はあ」
そんなあからさまにテンション下がんないでよ!
「てか何をいまさらそんな考えるわけ? 毎年適当じゃん」
「…いや…」
そうなんだけど、そうじゃないっていうか。
「なに? ついにカナのこと恋愛として好きになった?」
「え!? な、ない! それはっ」
焦った…。
水湊くんがいるのにそんなの、ありえないでしょ。
さすがにそこまで最低じゃないよ。



