( 凛久 SIDE )
◇ ◇ ◇
夏向にキスされた日から、1週間。
4年目の絆って恐ろしいもので、あんなことがあったのに2日たてばもう元通り。
毎日会えば話すし、放課後バイトがない日は遊びに行ったりもするくらい。
歩夢の言っていたとおり。
ずるずるとお友達の関係を続けて、金曜日。
自分の部屋であたしはうだうだと悩んでいた。
…悩みのタネは、夏向。
といっても、夏向が何かしてきたとか、そういうのではなく。
夏向の誕生日が迫っているのだ、来週に。
正直、あたしには水湊くんもいるし…。
彼氏を差し置いて夏向に誕プレあげるのってどうなの? って思ったけど。
でも水湊くんにもちゃんとプレゼントはあげる予定だし。
だからいいよね? って自己判断。
部屋の机に置かれた香水を見る。
…夏向もくれたし、なぁ。
毎年祝ってた手前、今年だけ祝わないっていうのも…。