【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







「やっぱ俺、まだ負けたくないかも」





突然、闘争心?
夏向の目を、ふっと見つめたときだった。





ーーちゅ





「…っ!?」




え?
今あたし…キス、された?





なに、してんの…?





「か、夏向」


「…ん、ごめん」





思ってる?
絶対心のこもってない謝罪、やめなよ。




柔らかかった。
夏向のくちびる…。




…って、何考えてんの!!
それよりも、だよ。





「あたし…彼氏いるんだよ…?」


「うん」


「な、なんでキス…」


「したかったから」





あたし、思いっきり夏向の頬をひっぱたいた。
バシーンッて大きな音、保健室に響いたよね。





「サイッテー!!」




そのまま勢いで保健室を飛び出してしまった。
叩いたほうも痛い。気づいた。大発見?




でも、彼氏いるの知っててキスした夏向が悪い。
…絶対に。






だけど。
この、耳までダイレクトに届く心臓の音はさすがにごまかせない。




…痛い。胸も、手も。



ドク、ドク、ドク。
まだ鼓動がうるさい。




…戸惑ったのは、夏向にキスされたことだけじゃない。




キスされて、あたし。
少しも、嫌じゃなかった…。