夏向って、本当によくわからない。
あたしのこと、好きなんだろうけど…。
それでいて、綾野さんとふたりで出かけてたり。
あたしのことからかったり、悪態ついたり。
夏向と友達になって四年目。
今までで一番、夏向を理解できてないかも。今。
「遠回りしすぎじゃない?」
隣で歩夢が言う。
キュッキュッとバッシュの音が響く体育館。
床の振動を感じながら、あたしは抱えた膝に口元をうずめて下を眺める。
時は5限。体育。
…遠回りって、なにが?
「ホントにカナのことただの友達だと思ってんの?」
「…え、そりゃあ……もちろん」
ふぅん、って。
興味なさそう。自分から聞いといて。
歩夢の自由人は今に始まったことじゃないけどさ。
「で、水湊くんだっけ? 今の彼氏」
「うん」
「その人のことは本気で好きなわけ?」
…あれ。
なんで今、あたし一瞬返事に詰まったんだろう?
普通なら即答するよね…。



