【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






一限目は数学。
あたしが大っ嫌いな教科。



なにやってるか意味わかんないし、理解する能力もない。
先生の話聞くのも疲れて、のんきにあくびしていたら。





「じゃあこの問題をー……そこで眠そうにしてる芦屋!」


「…へ?」





あ、あたし!?
今日マジでついてない……。




仕方なしに立ち上がって、黒板に書かれた問題文を読む。
…やばい。わかんない。



ほぼ寝起きの頭じゃ余計無理でしょ!!
詰んだ…。



そう思っていたら、隣から夏向が。




「…マイナス5」




ぼそっと。
あたし、その流れで。




「ま、マイナス5です」


「…正解。ちゃんと授業は聞くように」





ふう、と息をついてイスに座る。
…夏向、助けてくれた?




「寝ぼけてんなよ」





視線は黒板に。
でも、言葉は確実にあたしに向けられていた。




…今日はたまたまだし。
運が悪い日なの!!