「バーカ」
席に着いたら、生意気な夏向に悪態つかれた。
全力で走ってきて疲労困憊のあたしにかける言葉がそれ?
マジで理解できない。
「…明日は遅刻しない」
そんな宣言。
守れるか、早々に不安です。
「夏休みボケの典型的な例だな」
「…うるさいなあ」
自覚してますよ。
夏向に言われなくたってね。
…ていうか、あれ。
意外と、普通に喋れてる。
水湊くんと喧嘩寸前だったし、あのときの夏向怒ってたから…。
どうかな、って思ったけど。
「ふわぁ……」
あくびをこぼしたあたし。
…あ、夏向も移った。
ひひ、って笑ってみたら。
夏向は恥ずかしそうに「見んな」って。
夏向もあたしのこと見てたから移ったんでしょ?
ホント。
あたしのこと、大好きなんだか…ら…。
そこまで考えて、顔が熱を帯びる。
墓穴。自滅。何やってんの、あたし。
あー、もう。
夏向のこと、マジで嫌いになりたい!!