【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







「…凛久が、過去の恋愛にトラウマ持ってるっていうの知ってる?」






…え。
トラウマ?




もしかして、あのピアスの元カレ?




確かに、あの話聞いたとき、『あんまりハッピーな記憶じゃないんだけど』って言ってたかな。





「元カレにひでえ振られ方したのが原因で、満足に恋愛することもできなかったわけ」






なんで、凛久ちゃんの過去をカナタくんの口からきいてるんだろう。
俺が知らないことを知ってるのもムカつくし。





「だから俺になびかなかったんだと思う」





まだそんなこと言ってんの?
凛久ちゃん、たぶん結構カナタくんのこと好きだよ。





「そんな凛久がお前を選んだってことは……俺にはもう、勝ち目がないってこと」




あれ?
さっきは、『勝った気になんなよ』って言ってたくせに。
急に戦意喪失?





「あのさあ……さっきからお前お前って、俺の名前は水湊ね」



「…じゃあ、ミナト。……凛久のこと泣かせたら、本気で奪いに行くから」





そのタイミングでちょうど次の客が来店して、カナタくんは戻って行ってしまった。




…泣かせないよ。
でも、時間の問題かな。



今だけは、”凛久ちゃんの彼氏”でいさせてね。