夏祭りの醍醐味といえば、やぅぱり花火。
水湊くんが穴場スポットを教えてくれた。
「すごーい! 超綺麗に見えるね」
「でしょ? 俺のお気に入り」
人は全然いないのに、花火は鮮明に見える。
すごい。…花火、水湊くんとふたりで見れてうれしい。
「凛久ちゃん、疲れてない?」
「んー…ちょっとだけ」
「じゃあそこの石垣に座ろう」
背の低い石垣。
あたしと水湊くん、隣同士に腰を下ろす。
「……俺と付き合ってくれてありがとう、凛久ちゃん」
「…いや……、お礼を言うならあたしのほうだし」
好きになってくれて、ありがとう。
…好きになれて、うれしいよ。
「……凛久ちゃん、大好き」
何度も聞いた。
好きの言葉。
…こんなに幸せな単語だったなんて、知らなかった。
「うん…あたしも」
見つめ合って。
どちらからともなく、キスする。
夜空には、華やかな大輪がひとつ、打ちあがっていた。



