どれくらいの時間が経ったかな。
数分だとは思う。
でも体感では一時間くらい。
動いたほうがわからなくなりそうだし、ずっと木陰でじっとしてるけど。
立ちっぱなしなのも、逆に足が痛くなってくる。
ぼーっと月を見ていたところ。
「……やっと見つけたっ」
視線を下におろすと、大好きなひとの姿。
息切らしてる。…走ってくれたの?
「電話かけても繋がんないし…」
「ごめん。充電切れてて」
「もう…勝手にどっかいなくなんないでよ」
水湊くんはあたしの頭にぽん、と大きな手を置いて。
「いや、そうじゃないな。……ひとりにして、ごめん」
ああ、水湊くんのこういうところが、好き。
「…さっきの人たち、は?」
「ああ、中学の同級生だよ。彼女とはぐれたから探してくるって解散してきた」
彼女。
…そう、言ったんだね。
うん。
あたしだけが、水湊くんの彼女だよ。



