「い…いや……」
確かに今はひとりだけど…。
怖くて後ずさり。
「俺らと一緒に回ろうよ」
「奢るし!」
彼氏と来てるので無理です、って、言えなかった。
ごめん。水湊くん。
その代わり、はじめてのナンパに足がすくんで震える。
……これは、逃げるしかない。
「ご、ごめんなさいっ……」
一生懸命走ったから、いよいよ水湊くんがどこにいるのかわからなくなった。
あ…そうだ、スマホで連絡…!
カバンからスマホを取り出して電源ボタンを押すけど。
「…うそでしょ…」
充電切れ…?
充電器さしてたはずなのに。
そういえば、一個だけ断線してて使えないコードあるって言っててたような……。
あたしは大きめのため息をついて、屋台のうらの木陰に立ち止まる。
ポテトも食べ終わっちゃった。
連絡も取れないし。
……はあ、やっぱりあの場にとどまってればよかった。



