「いちごあめひとつください」
「はーい、500円です」
お金を渡して、「お好きなの持ってってください」って屋台のお兄さん。
んー…じゃあ、つぶが大きそうなこれ。
屋台から離れた場所。
この人混みで食べ歩きは危ないから、安全そうな場所に立ち止まって食べる。
ひとくち、いただきます。
「おいしー!!」
やっぱり何歳になっても大好き。
この味。甘くてパリパリ。
「ほんと? 一個ちょうだい」
って、水湊くん。
あたしの手元に口を近づけて、いちご一粒食べちゃった。
…水湊くんの甘い匂いが鼻をかすめる。
ドキッて、した……。
「ん、おいしい」
ふわって微笑まないで。
あたし、もうダメだから。
ドキドキしすぎて、心臓が破裂する寸前だから。
「顔真っ赤だよ」
「…だ、だれのせいだと……っ」
「誰のせいだろうなあ」
はぐらかした。
…水湊くんの、せいだよ。
これ以上あたしをかき乱さないで。



