そわそわ。
神社の鳥居の前。
水湊くんと待ち合わせ。
まだかな、って待ってたら、急に肩を叩かれた。
「凛久ちゃん」
「…あ、……こんばんは」
「ははっ、なにそれ」
だって……。
水湊くん、浴衣来てる。
かっこよすぎて目を奪われてたよ。
「実はちょっと前にもうついてたんだけどさ」
「え、そうなの?」
「凛久ちゃんの浴衣姿可愛すぎて、しばらく見とれてた」
……そういうこと、堂々と言えちゃう水湊くんがすごい。
あたし、あっという間に顔真っ赤だよ。
「行こ」
「…うん」
もう恋人だからね。
当たり前に手を繋いでもいい。
そっと握った手のひらから、あたしの気持ちが全部流れてしまえばいいのにって思ってた。
「まずはどこ行く?」
「ん…いちごあめたべたい」
いいよ、って二つ返事。
神社の中に入ったらすぐの場所。
”いちごあめ”
大きく書いてある屋台、発見。



