「凛久ちゃん、おなかすいてる?」
「うん」
ショッピングモールを練り歩きながら、なんとなくフードコートに足先を向ける。
家出る前にご飯食べてきたんだけど、動くと消化早くなるんだよね。
「何か食べたいものある?」
「んー、あたしは……」
なにがいいかなあ。
考え込みながら、視線を泳がせると。
遠くのほうに、見覚えのある暗い髪色。
背が高くてスラッとした体形の彼を見つけた。
……夏向。
あたしが昨日告白を断って、ほんのすこし気まずい相手。
この前、夏向が告白してきたときみたいに、今回も夏向は何も気にしてないの?
いつも通り、平気なの?
……あたしに告白を振られても平然としていられるって。
それ、本当にあたしのこと好きだったの…?
だって。
隣に、綾野さんが歩いているのも見えたから。
モヤっとしたような、どこか気持ち悪いような、変な感覚。
目頭が熱くなった。



