「これとか凛久ちゃんに似合いそう」
「えー……そう? ちょっと地味じゃない?」
あたしが言うと、彼はふっと微笑んだ。
「分かってないな。凛久ちゃんは顔が可愛くて華があるから、身に着けるものはちょっと大人しめなくらいのほうが際立つんだよ」
……なんか。当たり前のように、つらつらと褒められた?
あたし顔真っ赤なんだけど。
水湊くんって…誰にでもそんなこという?
あたしだけだったら、いいのに。
「ん…そう、かな」
「うん。俺の目に狂いがなければね」
水湊くんのそんな一言だけで、あっさりと何を買うか決めてしまうあたしは大概ちょろい。
超自覚してます。
さっきまで水湊くんが掲げていた地味めなネックレスを眺めていたら、今度は耳を触られた。
肩が震える。
耳、弱いんだもん…。
「そういえばさ」
「んー…?」
「ずっと気になってたんだけど、これ。いつ開けたやつ?」
あー…ピアスね。
嫌な思い出に触れてくるね、水湊くん。



