【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。








てっきり、三人の話し声が廊下まで響いてると思ってた。
でもやけに静かだったから、なんか変だなって。
あたし、教室のドアから目だけ出して中を覗いてみたんだよね。





「……っ」





見なきゃよかったかも。




言葉にしようとすると余計顔が火照るんだけど。
つまりは、ええと…。




前後の席に歩夢とまこちゃんのふたりだけ。



うしろが歩夢で、前にまこちゃん。
まこちゃんがイスに座ったまま……歩夢と、ゼロ距離。




あれって……も、もしかしなくても、キス…だよね?




ドッ、ドッ。
友達のあんな姿を見るのははじめてで、心臓が高鳴る。



え、ええ……?
ふたり、そういう関係?
隠れてお付き合いしてましたとか、そういう…?





ふたりのキスに釘付けになっていると、突然後ろから肩を叩かれた。



思わず悲鳴を上げそうになったところで、ついでに口を手でふさがれて歩夢たちにはバレずに済んだ。