「だってさ」
「うん」
「今はもうだいぶ薄れてるけど、この前はっきりついてたキスマ、彼につけられたやつでしょ?」
かぁって顔が熱くなる。
キスマ……存在忘れてた。
水湊くんやさしいから、触れないでいてくれたんだ。
なんで夏向がつけたって分かるの……。
それも、男の勘?
「……なんか、妬けるなあ」
「え…?」
やける? 焼ける?
……妬ける?
「俺もこれ、つけたいんだけど」
あたしの首筋を指さして言う。
つけたいって……なんで?
なんのために?
「他の男にキスマつけられてる凛久ちゃん、見過ごせるほどやさしくないよ」
うそ……だって、水湊くん優しいもん。
今までだって優しかったもん。
「俺、過去一焦ってるかも」
「焦ってるって……」
「だから、ごめんね。……もう、歯止め効かない」
暗闇の中、水湊くんの切なそうな表情がうっすらと見えた。



