女子ウケよさそうな顔と髪型。
なに、凛久もこんなのがいいわけ?
てか、なんで学校まで来るんだよ。
欲張りすぎだろ。
ミナトくんと楽しそうに話す凛久を見てたら胸が痛くなった。
今まではそこ、俺のポジションだったんだけどな。
「夏向っ、また明日ね!」
俺のほうを向いて手を振ったあと、その男と並んで歩いて行ってしまった。
「なに、振られた?」
俺よりあとに教室を出た麻琴が、後ろから声をかけてくる。
「振られてねえよ、まだ」
そして諦めねえよ。絶対。
あんな男に負けるの意味わかんないじゃん。
恋するのに時間は関係ないって言うけど。
この三年間、毎日凛久のことだけを考えていた俺がその説を立証してやる。
凛久とミナトくん。
付き合ってもいいけどさ。
どうせすぐ別れるよ?
それで俺のとこに来るんだ。
凛久の口から本気の『好き』を聞けるまで。
「麻琴、今からひま?」
「超ひま」
「ラーメン行こうぜ」
「大賛成」