【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。








凛久のことを考えていたら、時間が経つの一瞬だった。
もう放課後。




凛久は今日バイトだっていうから、校門まで一緒に行こうって、俺から誘った。





本当は行かせたくないけど。
凛久もバイト行くの楽しみにしてそうだったから、何も言えない。





「それでね、今日歩夢がー…」





隣で話す凛久。
見るからに浮かれている。




なんで? ミナトくんに会えるから?
……ねえ、その立ち位置、俺じゃダメ?





凛久の話には歩夢がよく出てくる。
今はいいけど。
ミナトくんの前では俺の話たくさんしてよ。




負けてばっかじゃ悔しいからさ。





「そのあとーー」





校門が近づいてきた。
凛久が続きを話そうとして、「あっ!」と声を上げる。



その視線の先を追うと。
明らかにうちの高校の制服じゃない、男子生徒がひとり。




もしかして……。





「水湊くーんっ」





駆け寄っていく凛久。
あーあ。マジか。コイツか、ミナト。