「あー、おなかすいた。はやくご飯たべよ、凛久」





お昼休み。
今朝、コンビニで買って来たんであろうパンを手に持って、もう片方の手にはちゃっかりスマホも装備して、あたしの席へ歩み寄ってくる歩夢。




今はまだ夏向があたしの隣の席に座っているのに、





「さっさとどいて、カナ。あゆたちご飯食べるから」



「……いや、ここ俺の席だし。自分のもの感出してくんな」



「別に? 凛久の隣の席なんだから、あゆのモノも同然だよねー」





夏向は不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。
どっちかっていったら、歩夢のほうが夏向と夫婦っぽいよ?



いとも簡単に『あゆのモノも同然』発言をしてしまった歩夢は、結構ちゃんとあたしのこと好きだと思う。
いや、好きじゃなくて、大好きだな! 絶対そう、ゼッタイ。





「はあ、お前なあ……」





呆れたようにため息をついた夏向は、また歩夢のワガママに押し負けそうになっているわけだけど。



そんなあたしたちの日常に、ふと飛び込んできたクラスメイトの声。