「俺、先降りてるよ」
返事はない。
下ではきっと母さんが張り切って朝食を作ってるところだろうし。
待っててやるか、凛久のこと。
そう、思ったのに?
「まっ、待って……」
ドアノブに手をかけたところで、うしろから服の裾をつかまれた。
振り返ると、凛久が俺を見上げて。
「あたしも一緒に降りる…」
うん。いいけどさ。
自分のかっこう、見てみて?
ぶかぶかのスウェットのズボンが脱げて、上の服一枚になってる。
幸い、上の服もぶかぶかだからワンピースみたいになって下着は見えてないけど……でもさ。
それ、誘ってんの?
必死に一晩理性保ったのに、ここで追い打ち?
お前って悪魔?
「…じゃあまず、ズボン履いてきたら?」
「へ……」
直後、自分の足元をみた凛久は、「ひゃあ!?」と女子らしい悲鳴をあげる。
「こ、こっちみないで!!」って慌ててズボンを取りに行くけどさ。
もう手遅れじゃね?
今日一日、頭から離れねえかも。



