「もしもし、水湊くん?」
『あ、出てくれた』
電話越しで聞く水湊くんの声、新鮮。
あたしが出るか出ないか、そんなに賭けだったの?
基本出るよ。そんな薄情者じゃないし。
「どしたのー」
『なにしてるかなって』
「えー? ひましてた」
特に要件はない感じね。
オッケー。
『あと、声聞きたくて』
「……モテ男の言うことは違うなあ」
『やめてよ、そんなんじゃないって』
だって普通、好きでもない女の子に軽々しくいわないよ?
さすがだよね。
「あのね、今あたし友達の家にお泊りしてるの」
『友達の家? なんで?』
「家の鍵忘れちゃってさ、今日親が旅行いってていないから」
『あは、こんな平日から旅行? アクティブなご両親だね』
うん、やっぱそうだよね。
あたしもそう思う。
もう15年間そんな感じだからさすがに慣れたけどね。
いつまでだっても仲良しなんだ。羨ましい。



