俺はすかさずロングスプーンを手に取って、一口分すくって。
「はい、凛久ちゃん」
「…へ?」
「口開けて」
凛久ちゃんの顔の前に差し出す。
てっきり俺が自分で食べる分だと思ってたらしい凛久ちゃんは、突然の”あーん”に呆然としてる。
甘いのはね。
凛久ちゃんのほうが似合うから。
「い、いやっ…、カップルみたいに見られるよ…!」
嫌なの?
俺は大歓迎だけどな。
「……もう、水湊くんの頑固」
拗ねた風に頬を膨らませてから、大人しく俺の差し出したスプーンをくわえる凛久ちゃん。
うっわ……これは想像以上。良いわ、なんかすごく。
「満足?」
そうやって上目遣いするでしょ。
凛久ちゃん、あざといよ。
…俺にはいいけど、他の男にはやらないでね?
「満足した」
「……ならいいよ」
恥ずかしそうだけど結局許してくれちゃう凛久ちゃん、優しいね。
知れば知るほど惹かれていく。
今は。
怖いくらい、キミのことが欲しくなってる。



