ベルを鳴らしてから数秒。
すぐに店員がオーダーを取りに来た。
「ご注文お伺いします」
「海鮮丼と、海鮮パスタ」
「はい。他にはよろしいですか?」
それから……。
「このパフェもお願いします」
いちばん長く見てたし、きっと食べるか迷ってたよね?
食べきれなかったら俺も食べるし、大丈夫。
注文を終えると、店員は立ち去って行った。
それとほぼ入れ替わりで凛久ちゃんが戻ってくる。
「ごめんね、ありがとーっ」
「うん」
ダメだ。
凛久ちゃんの前だと、どうしても表情筋が緩んでしまう。
「水湊くんは何にしたの?」
「俺は海鮮丼」
「いいねえ、おいしそう」
ニコニコ。
擬音がつきそうなくらい浮かれてるのが目に見える。
本当はこんな姿、俺が独り占めしたいんだけどな。
「凛久ちゃんイクラ好き?」
「すきだよ」
「食べる? 俺の海鮮丼についてるやつ」
「え、いいの? 水湊くんイクラ苦手?」
その質問に頷くと、「イクラ苦手なのに海鮮丼頼む人あんまいないよっ」って笑われた。
バカにされてる気はするけど…かわいいから、いいや。



