「じゃあ、シャチにしたら? 同じデザインだけどシャチの絵が描かれてるやつ」
「えっ、かわいいー!!」
お気に召したようで。
凛久ちゃんは目を輝かせて俺の手からシャチを奪い取る。
じゃあ俺はイルカにしようかな……なんとなく可哀想だし。
シャチと”R”。
イルカと”M”。
はじめての、おそろい記念日。
隣で嬉しそうに笑う凛久ちゃんに見とれていた。
かわいいなあ……。
こんな子が彼女だったらいいのに、って。
凛久ちゃんに一目ぼれをした日から毎日思ってる。
なんなら。
最初、目が合った瞬間も同じことを思った気がする。
…なんだ、俺やっぱ重症じゃん。
「他は見たいのない? 水湊くん」
「うん、俺はもういいかな」
凛久ちゃんとのおそろいだけで、じゅうぶん。
「そっかー。じゃああたしは家族にお土産買ってこうかな」
お菓子コーナーに一直線。
凛久ちゃんって兄弟はいるのかな? ペットとか飼ってるのかな?
ねえ、ぜんぶ気になるよ……。
知りたい、もっと。
「凛久ちゃん」
手、離れてる。
ちゃんと繋いで。
……もっと俺の感触、体に刻んで。



