男だか女だか知らないけど。
凛久ちゃんの”お友達”に対抗。
遠回りな牽制くらいさせてね。
俺のほうが接点少ないんだから。
「えーっ、あたし”R”二個持つの?」
「うん」
「…いいけど…」
不服そう。
文句は言わせない。
あわよくば、”なんでRだけ二個あるの?”って聞かれればいい。
その答えが、”彼氏とおそろい”だったらさらによかったのに。
……出会ってから日が浅すぎて無理。
はあ。
凛久ちゃんも俺に一目ぼれしてくれてたら、もっと話は早かったんだろうな。
「これかわいいよ、水湊くん」
凛久ちゃんが手に取ったのは、イルカが掘られたキーホルダー。
イルカのそばにはしっかりと”R”の文字が刻まれている。
「う……でも、イルカにはさっき水をかけられたという因縁が……」
根に持ってたの? それ。
凛久ちゃんは渋い顔をしてイルカをそっと棚に戻した。



