「水湊くん?」
「……あ、なに?」
「ぼーっとしないでよ」
頬を膨らませて怒ってるふり?
かわいすぎるから、あんま外でやらないでね。それ。
「水湊くんはなにかほしいものある?」
「うーん……」
欲しいもの。
……凛久ちゃん、かなあ。
さすがにそんなことは言えないから、近くのキーホルダーに視線を走らせてみる。
凛久ちゃんとまでは行かないけど。
「凛久ちゃんとおそろいのキーホルダー、かな」
「え、あたし?」
びっくりしてる顔。
凛久ちゃん、表情コロコロかわるね。
…なんかもう、かわいいしか出てこない。重症かも。
「うん、凛久ちゃんがいい」
「ふぅん……変な水湊くん」
そういいながら照れてるね。
顔真っ赤だよ。風邪ひいたにしては水に濡れてからが早すぎるんじゃない?
「どういうのがいい?」
「んー……俺も、アルファベット書いてあるやつ」



