【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






「何見てたの?」



「あ…友達へのお土産」





ふぅん。
友達、ねえ。



手に握られたアルファベット刻印入りのキーホルダーは。
『K』『M』『A』『R』。



R、は自分だろうけど……。
三人。誰が男で、誰が女? もしくは全員男?




羨ましいなあ。
俺は、バイト先での凛久ちゃんしか知らないから。




学校ではどんなふうに過ごしてるとか、どんな友達と付き合ってるとか。
ぜんぶ気になる、って言ったら……引くかな?




俺ね。
はじめて凛久ちゃんを見たあの日から、ずっとキミのこと考えてるよ。





一目惚れってやつだと思う。
俺もはじめて。




来るもの拒まず去るもの追わずだった俺が、
来るもの拒んで去るもの追わずになってから一年。



何人も振ってきた。
中学のときは遊んでばかりいて恨み買ってきた人生だったから変わりたくて。





……でもまさか、ここに来て真剣に誰かを好きになるとはなあ。




うん、絶対俺のものにするよ。
他の男になんか、渡さない。