そして夏休みの引っ越し当日。
お父さんたちが買ったという一戸建ての家に引っ越した。日和さんの元々の家の近くで、これから通う予定の叶くんの学校の近くにしたらしい。私の部屋の片付けをしてると控えめなノック音がなった。
「姉ちゃん?入ってもいい?」
叶くんの声だ。さっきリビングで「姉ちゃんって呼んでいい?」って言っていたのを早速実践している…
部屋に入れるとため息をつかれた。私もつきたいよ!
「なんで男を簡単にいれちゃうかなぁ。やっぱ男好き?」
「え?」
「なんでもない。そんなことよりもさ、僕にあんまり関わらないでね?母さんと文也さんの前では仲良くするけど仲良くする気はないからね。僕女子苦手だし。」
偉そうにいう叶くんにむっときて
「私も男の子苦手だから気にしなくていいよ!叶くんが嫌なら干渉しない。」
と言い返すと少し驚いた顔をして私の部屋を去っていった。
何だったんだろう。こんな調子でやっていけるのかな…
一抹の不安を抱えてその日は眠りについた。
翌朝、朝ご飯を作っていると叶くんが降りてきた。
「姉ちゃんなんでご飯作ってるの?」
「日和さんがこれからはお弁当や夕ご飯作ってくれるって聞いたしから、夏休み中だけでも作ろうと思って。今までそうだったし」
叶うくんはまた驚いた顔をした。
