「ねお、会いたかった」
苦しげにいいながら俺はねおを抱きしめた。あの事があってからねおはこの街から姿を消した。俺はあの時何も出来なくて悔しかった。何度も後悔した。
「うん、ちーくんは大きくなったね。前は私より少し大きいくらいだったのに」
その言葉がとても嬉しかった。もしかしたら男として見てもらえるかもしれない。宵と夏河は後ろで唖然としていて思わず笑いそうになる。
「えっと、どういう関係?」
恐る恐る訪ねてきた夏河。ねおが可愛い声で
「私たち幼馴染みなの」
「そうだったんだ。千歳から聞いてた幼馴染みはねおのことだったんだ。」
「なるほどね。通りで千歳が自分からくるわけだ」
夏河と宵はすぐさま納得した。俺はよくねおの話をしていたからかな?
ねおの匂いがあまりにも心地がよくて嬉しくなる。あ、そうだ、俺は聞きたいことがあるんだ。
「ねおはなんでフード被っているの?」
なんとなくわかるが一応聞いておく。
「お父さんと叔父さんに言われた」
あ、やっぱりそうだ。まあ、
「そうだったんだ。まあ、ねおが可愛いすぎるのがいけないよね」
俺はねおの頬を撫でる。二人は俺の姿に驚きつつ面白がっている様子だ。
「こんな甘い千歳初めてだわ」
「ああ。なんかみてるこっちがはずい。」
多分この二人はすぐに恋に落ちると思う。ねおの可愛いさは誰もが落ちてしまうからね。
「俺の隣はねお?」
「うん!そうだよ!」
俺は嬉しさのあまりに席についた。
ねおがかわいくて思わず抱きしめたくなる。
俺は浮かれすぎていた。そのせいでねおのことを睨んでいる女どもに気がつかなかった。