昨日仲良くなった宵くんと夏河くん。そのおかげで今日も学校生活が楽しくなる。ただ女子生徒にはうまく思われていない。そんなことを思いながら教室を入る。
「あ、おはようさん」
「おはよ」
すぐさま夏河くんと宵くんが気づいて声をかけてくれた。それがなんか嬉しかった。私はカバンを置き隣の席が両方空いていることに気がついた。
「泉は生徒会だからこの時間はいない」
宵くんが教えてくれた。
「あ、そうだ。今日千歳来るらしい。昨日メールして編入生きたって言ったら俺も行くって言われたんだ」
千歳くん。もしかしたら幼馴染みかもしれない人物。とてもテンションが上がる。
「へぇ~。千歳が?」
宵くんは驚きが隠せないみたいだ。
「そうなんだよ。ねおの名前言ったらさ」
やっぱり幼馴染みだ。そうわくわくしていたら
「来た。千歳おはよさん。この子が昨日来た、、」
夏河くんが言い終わる前に私はに抱きついてきた。
「ねお、会いたかった」
苦しげにいいながら私に言葉を発した。やはり私の幼馴染みだ。
「うん、ちーくんは大きくなったね。前は私より少し大きいくらいだったのに」
宵くんと夏河くんは目を見開いている。
「えっと、どういう関係?」
恐る恐る訪ねてきた夏河くん、
「私たち幼馴染みなの」
「そうだったんだ。千歳から聞いてた幼馴染みはねおのことだったんだ。」
「なるほどね。通りで千歳が自分からくるわけだ」
夏河くんと宵くんは納得したように頷く。
ちーくんはまるで猫。気まぐれで自由人。頭を撫でると嬉しそうでつい撫でてしまう。
「ねおはなんでフード被っているの?」
「お父さんと叔父さんに言われた」
「そうだったんだ。まあ、ねおが可愛いすぎるのがいけないよね」
私の頬を撫でながら言ってきた。
「こんな甘い千歳初めてだわ」
「ああ。なんか観てるこっちがはずい。」
「俺の隣はねお?」
「うん!そうだよ!」
ちーくんは嬉しそうに席についた。
私も気分が上がりニコニコしていた。その事もあって私は、忘れていた。自分が周りからどう思われているかを。