誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 しかも、アイリーンは平民の血が流れていると蔑まされる立場。そしてヴァイオレッタは娼婦のようだと悪評のある上に、父親に自分の子じゃないと言われるような立場だ。
 高位貴族でも、継ぐべき領地がない三男や四男であれば子爵家に婿入りして領地持ちになることもできるだろう。
 でも、ルードは「弟のしりぬぐいをしなければならない」と言うようなことを言っていた。きっと、責任のある立場……嫡男なのだろう。
 つまり……どうあがいても、私が「好きだ」と言ったって、ルード様は思いに答えることはできないのだ。
 ごめんとかすまんとか謝らせてしまう。
 それを分かっていて告白したのだ。ひどいと言わず何と言おう。
 ……もし、ルード様が私のことを少なからず思っていてくれて……。思いに答えてくれたとしたら……。
 逆に「将来の約束もできないのに、好きだと言う気持ちを利用してもてあそぼうとしている最低な男」だと気持ちが冷めるだろう。
 ……つまり、謝るか嫌われるかの選択肢がないことを私は言ったのだ。
 ふ、ふふ。ひどいよね。
 ただの自己満足。私が……あふれる思いを伝えたかっただけ。それだけのこと……。
 少し気持ちが落ち着いたからか、お腹がいっぱいになったからか……眠くなってきた。
 少しだけ、休ませてもらおう。

「アイリーン」
 トントントンというノックの音と、アイリーンを呼ぶ声に目が覚める。