誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「いいえ。もし、あなたの言う通りアイリーンをいじめていたとしたのならそれは悪いことです。でも、それを止めるのは二人の親の役割。止めても直らないのであれば引き離すなりなんなりすればいいのに……。見て見ぬふりをしているならば、はやり悪いのは親よ」
 ヴァイオレッタは悪くない……。
 悪評を聞いてもなお、そういってくれる人がいるなんて……。
 ポロリと涙が落ちた。
「あらまぁ、辛かったわよね。かわいそうに……」
 ジョアンナ様が、私の隣に座り、背中を撫でてくれた。
「お、お父様は、貴族は外に子供を作ることなどよくあることだから……だから……自分は悪くないと……」
 はぁーと、ジョアンナ様が大きなため息をついた。
「確かに、愛人を持つことはよくあることだし、婚外子も珍しくはないのは確かよ。でも、それでも通すべき仁義というもとはあるのよ」
 仁義?
「結婚して1年は妻だけを愛すること、3年、もしくは正妻に世継ぎが生まれるまでは他に子供をつくらないこと……それを破ったのだから、悪くないわけないのよ。それを本人も分かっているはずなのに……」
「お、お父様は……」
 お母様が浮気をして私を産んだのだから自分は悪くないと……口にしそうになって、私はアイリーンのフリをしていることを思い出して口を閉じる。
 ノックの音が聞こえ、からからとカートを押した侍女が入ってきた。