誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「さぁ、ルードも急いで駆けつけて喉が渇いているでしょう。お茶をどうぞ。アイリーンも。お菓子も口に合えばいいのだけれど」
 並べられた美味しそうな焼き菓子を見たとたんに、お腹が鳴った。
 は、恥ずかしい。なんてはしたない。
「申し訳ありません」
 食いしん坊だねと笑い話にしてくれないかと思って二人の顔を見ると、泣きそうな表情をしている。
「ろくに食事も食べさせてもらっていないのね……」
「いえ、あの、そういうわけでは……。刺繍に没頭してしまって……」
 嘘ではない。昨日は食事で刺繍を中断されたくなかったから……。まぁ、朝食はタイミングが悪かったのだけど。
 ジョアンナ様が首を横に振った。
「……ありえないのですよ。徹夜で刺繍をさせることも、食事を抜くことも。健康管理も侍女の仕事の一つです。徹夜しないように寝かせる、食事抜きにならないように声をかける……それはとても当たり前のことです。その当たり前の仕事をしないどころか……」
 侍女のせいにされてる?
 違う。侍女のせいじゃない。新しい侍女たちは、お父様の命令に従って動いているだけだ。
「貴方に対する声も聴いたわ。ごめんなさいね。あまり下位貴族の噂話を今まで聞いたことがなかったから……。平民の子供だと、愛人の子供だと蔑まされることがあるのね?」
 確かのこの間はそういわれた。