誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 誰が来るのか分かっていたのか、声をかけられる前にジョアンナ様が入室の許可を出した。
「それで、どうだったんだ」
 入ってくるなり、ルード様は声を上げた。
「ルード様」
「ああ、アイリーン……かわいそうに。ひどい顔だ」
 ひどい顔?
「ルード落ち着いて、座って。……でも、あなたの言う通りだったわ」
 ジョアンナナ様が首を横に振った。
「この間いただいたハンカチも、翌日には届けられたから。誰かに刺繍させたものか、買った物だと思ったのよ。いくら何でも、それほど短時間で刺繍ができるわけないから……。自分で刺繍したというのも、せいぜい仕上げのいくつか針を刺しただけなんじゃないかと……」
 ジョアンナナ様の言葉に、ルード様が口を挟んだ。
「アイリーンは嘘をつくような人じゃない」
「ええ。ルードがそう言うから、思い出したのよ。そもそもハンカチを贈られる元となった事件を。お茶会が続いていて直接顔を合わせたわけではなかったから、侍女からの報告も詳しくは聞かなかったけれど……。確認したら思ってた以上にひどい話を聞かされたわ」
 ジョアンナナ様が心配そうな顔を私に向ける。
「もう、背中の傷は大丈夫なの?」
「あ、はい。もうすっかり痛むこともなく……」
 ジョアンナナ様が心を落ち着かせるように息を吐き出すと、思い出したかのように、お茶を勧めた。