誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 アイリーンもお父様にそういわれることがあったの?言われないようにと隠していたの?それとも別の理由で言い出せなかった?
 汚れがないドレスの中で一つだけ前でボタンを留めるタイプのものが見つかった。
「あら?」
 よく見れば、このドレスにもスカートの一部にシミがある。そして、その汚れを隠すように、フリルが縫い付けられていた。へたくそな縫い目で……。
 アイリーンが自分で縫った?それとも侍女の腕が悪かった?
「考えている暇はないわ……」
 今は一刻も早く出かける準備をしないと。
 ドレスの汚れは……。部屋の中から出られないのだから、少しずつ汚れを落としたり、フリルを縫い付けたりしよう。勝手なことをしてとあとでアイリーンに叱られてしまうかもしれないけれど……。このまま着ることができずにクローゼットにしまいっぱなしになるよりはいいだろう。
 唯一一人で着られるドレスに袖を通す。
 それから化粧は見様見真似で……と思ったけれど、怖くてほんの少し頬紅をのせ口紅をさすだけで終わり。
 カツラは丁寧にとかした。
 髪結いは、あきらめた。地毛であれば後ろで結んでリボンを結ぶことくらいならできたかもしれないけれど、カツラはどうにも扱いが難しい。
 ハンカチを封筒に入れて持つ。
 手紙も添えた方がいいかとも思い、慌てて書く。