誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 お母様との思い出はないけれど。マーサが話してくれたお母様のように。そしてお母様の代わりに愛情を注いでくれたマーサのように。
 生まれた子供を抱きしめて、ありったけの愛情を注いで育てよう。
 白い結婚にならなければ相手は誰でもいい。
 ……って思うと、誰とでも寝ると噂されるヴァイオレッタと結婚しようとするなら、白い結婚を望む相手じゃないわよね?
 むしろアイリーンには感謝しなくちゃ。体目当ての相手なら子供は授かるわよね。
 一人ボッチじゃなくなる未来を想像するだけで、心が温かくなった。
「さぁ、書類を片付けないと」
 子爵家は小さいながらも領地がある。そこの税収と、3代目の子爵が起こした商会からの売り上げが子爵家の収入だ。
 年々商会からの収入は減っている。そのため、私を金持ちの家に嫁がせ、商売上手でできるだけ高位貴族の婿をアイリーンに取らせようとお父様は考えているようだ。
「収入が減っていると言っても、贅沢しなければ十分暮らしていけるのに……」
 お義母様のドレス代、宝石代、王都のタウンハウスで毎月開くお茶会……それを半分に減らすだけでも……。
 それに、アイリーンの使うドレス代も。
 あとは、ヴァイオレッタ名義のドレス代に宝石代。……私はドレス1着持ってないのに。