誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 屋根裏部屋よりもずっと明るくて広い。柔らかいベットに、たくさんのドレス。
 そのどれにも喜びは感じない。むしろ部屋から出歩くことを禁じられ、常にカツラをかぶってアイリーンのふりしなければならないなんて……。
 ヴァイオレッタが消えてしまったようだ。
 書類仕事は毎日家令が運んできた。
 アイリーンの部屋にうつったことで、使用人の目がどこにあるかもわからず悪い噂が立つといけないと、体に触れられることはなくなった。
 そして、部屋にこもっていなければならないということは、下働きや侍女の仕事の手伝いはしなくてよいことになった。
 水仕事をしなくなって、荒れていた手が10日もすればマシになった。
 たまっていた書類の処理も時間ができたことで片付けることができた。
 そうすると、書類の量が減り、1日のうち1時間もあれば終わるようになった。
 何をして過ごそうか。
 部屋から出るなと言われているため、できることは限られている。
 新しく雇い入れた使用人は、お義姉であるヴァイオレッタが静養中で落ち込んで部屋にこもっていると家令が伝えているようだ。
 ……ありがたい。
 いくらカツラをかぶっていても、ずっと家の中でアイリーンを演じるなんて無理だったろうから。
 そっと、屋根裏部屋から持って来た数少ない私物を手に取る。
 お母様が私に残してくれたという本。
 マーサからもらった。