誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 アイリーンの代わりにお茶会に出席するのも、徹夜で刺繍をするのも……。仕事じゃないんだ。
 渡された書類を見て小さくため息が出た。
「ああ、それから、一人侍女がやめてしまったのでその分の仕事もお願いしますね」
 屋根裏部屋で手紙を仕上げ、ハンカチにアイロンをかけて手紙とともに封筒に入れて、届けるようにお願いする。
 書類仕事をしようと部屋に戻ろうとしたときに通いの侍女につかまった。
「ちょっと、お嬢様、どういうつもり?」
「え?」
「アイリーン様と奥様がいないからって好き勝手やってんじゃないわよ!」
 腰に手を当てた侍女が、はたきで、私の顔の周りをパタパタとはたいた。
「アイリーン様にでも成り代わったつもり?すぐに体調がよくなってアイリーン様は戻ってくるんだから!」
 使用人には、アイリーンが妊娠したことは秘密にしてある。ほんとに体調を崩して静養していることになっている。
 病状が伏せられているため、どれくらいで戻ってくるかも知らないはずだ。
 ……そういえば、ヴァイオレッタが産んだことにするのであれば、この屋敷に住んでいる人は私が妊娠出産してないことはバレちゃうのでは?……使用人はどうするのだろう。解雇するのだろうか?
 そもそも、私がアイリーンのフリをしていることも、ヴァイオレッタのふりをしてアイリーンが夜会に出席していることも知っている。