誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 世間体を気にして、二人の娘を同じように大切にしていると見せるために、ヴァイオレッタとしてアイリーンが社交界に出るのをお父様は止めなかった。厄介者の縁談を見つけてこいと最近では応援するようになっている。そして、私のフリをしたアイリーンの素行が悪かろうと、悪評が立つのはヴァイオレッタだと気にも留めない。むしろあんな義姉を持ってかわいそうだとアイリーンへの同情の声に満足しているくらいだ。
 子爵家の評判も落ちるというのに……。
 「あいつが浮気して作ったお前にはお似合いの評判だ」と愉快そうに笑っている。お母様への恨みを晴らすことの方が、子爵家の評判よりもよほど大事みたいで……。きっと、どれだけたってもお父様は私のことを娘として愛してはくれないのだろう。実の娘だと本当はとっくに気が付いているのかもしれない。家令の言うように誰が見ても私とアイリーンに血のつながりがあると分かるだろう。……お母様への負い目なのか。自分が悪いわけじゃないと思いたいからなのか……。
 だから、私は、たとえどんな相手だったとしてもこの家を出られるなら結婚したい。評判の悪いヴァイオレッタと結婚しようとする相手なんてろくでもない人間だろう。……それでもかまわない。血のつながりのある人間に嫌われるよりも、赤の他人に嫌われた方がましだ。
 それに……。結婚したら子供ができるだろう。私に、家族ができるのだ。