誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 日が昇ってからも手を止めることなく刺繍を続け、お父様が朝食を終える時間には完成した。
 我ながら、とても素敵なヒヤシンスとカスミソウの刺繍が完成した。
 お店で見た売り物にも負けないできだ。
 ……もしかしたら、よく頑張ったと、お父様に褒めてもらえるのではないか……?なんてほんの少しだけ思っていたのに。
「これはいったい何のつもりだ!ふざけているのか!」侯爵夫人にお礼として贈るハンカチだぞ?」
 お父様はハンカチを一目見て怒り出した。
「女性に青や紫なんか贈る馬鹿がいるか!ピンクや黄色、もっと華やかな女性らしい色のものがあるだろう!」
 どうして、私は褒めてもらえるかもなんて思ったんだろう。
「……申し訳ありません。いただいたドレスの色が……」
「ちっ。言い訳か」
 お父様の舌打ちに、それ以上言葉を続けることができなかった。
「まぁいい。お礼が遅くなれば失礼にあたる。ちゃんと手紙を書いてハンカチを送っておけ。ハンカチは自分が選んで刺繍したと書いておけよ。お前が個人的にその色を選んだと分かるようにな!子爵家のセンスが疑われたらたまったもんじゃない!」
「はい……」
 小さく返事を返して、お父様の執務室を後にしようとしたところで声が掛かる。
「昨日は一日仕事をさぼったのですから、今日はしっかり働いてくださいね」
 大量の書類を、家令に渡された。