誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 もし、どうしても気持ちが悪くて、子供の父親と結婚することができそうになかったら……。いいえ、子供の幸せを考えたら我慢するべきかもしれない。お金の苦労だけはさせずに済むなら……。
 この先どうなるのか分からないことだらけだ。だけど、きっと何とかなるんだと、売られているハンカチを見て少しだけ気持ちが落ち着いた。
 刺繍をされている物を見ると、薔薇がモチーフとしては一番多いようだ。
 他には幸せを運ぶという青い小鳥。
 濃い色のハンカチには、白い薔薇や聖女の冠と呼ばれるスズラン、それから白鳥。
 あまり花の名前を知らない私にもわかる有名な花ばかりだ。
「イメージじゃないかも……」
 ジョアンナ様にお会いしたこともないのに、どれも違う気がした。
 というか、もし、イメージに合っていたとしても、ありきたりな図案の刺繍であれば、何も無理して今から刺さなくても買えば済んでしまう。刺繍しても、それがジョアンナ様のために刺繍したものか買った物かも分かってもらえないだろう。
 何にすれば……。
 ジョアンナ様から贈られたドレスを思い出す。
 あれがジョアンナ様の着ていらしたドレスだとすると……。
「あ」
 紫のグラデーションになっていたヒヤシンスの絨毯を思い出した。
「きっと、そうだわ。ジョアンナ様は、赤やピンクよりも、青や紫が好きなんだわ。そして、ちょっとかわいらしいデザインを好んでいる……」