誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 それとも、やっぱりサイズ合わせなんて言い訳でしかないのか……。
 フルフルと頭をふり、気持ちを切り替える。
 家令の元へと足を運ぶ。
「刺繍をするための材料を買いに行きますので、お金をいただけますか?お父様が言うように、最上級の布と糸を買います。それから針が紛失しているようなのでそれも買ってきますので」
 金額を言うと、嫌な顔をされたが、お父様とのやり取りを聞いていたので家令もそれ以上は何も言わなかった。
 お金を受け取って立ち去ろうとしたときに、家令が口を開いた。
「先ほど、侍女が一人退職願いを出したのですが、何をしたんですか?」
 え?
「分かりません」
 誰だろう。
「私の世話をしたくなかったのかもしれません……」
 使用人同然として扱われていた私が、アイリーンの代わりをしなければいけないとはいえ、風呂に入り、肌の手入れをされ、美しいドレスを着て出かけていくことを面白く思わない侍女はいるだろう。
「アイリーンが戻ったら、また、戻ってくるかもしれません……」
「ところで、一つ大事なことに、協力してあげようか?」
 急に家令が私の肩に手を回した。
「大事なこと?」
「そう。ヴァイオレッタとして結婚するんだろう?だったら、当然夫婦としての営みもすることになる」
 そうなるだろう。
「経験がないことで入れ替わりがばれるわけにいかないだろう?」
 あ……。