誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「もちろん使用人が簡単な直しをする場合も同じように、針の数の確認をいたすのが常識かと。針1本も備品として帳簿に記録もされているはずですし」
 確かに、帳簿の経費としての購入品目に、針や糸と上がってくることもあった。
「やはり、噂は本当だったんだな」
 噂?
「ヴァイオレッタが妹をいじめているという噂だ」
 そんな噂が?
「あの、違いますっ」
 私は妹をいじめてなんていない。
 もしかしてアイリーンが噂を流しているの?私に虐められたって?
 でも、何の得があるの?だって、アイリーンはヴァイオレッタの姿でも社交をしているんだもの。
 妹をいじめているなんて噂が広がれば、社交しにくくなるはずなのに……。
 ああ、でも、もしかして。二人が並んで舞踏会に顔を出すことはないから、仲が悪いということにしているのかも。
 仲が悪いのは、虐めているからと勝手に噂になったとか?
「確かに、仲がいいとは言えませんが、虐められているわけでは……」
「どうして庇うんだ?アイリーンは優しいな」
 どうして信じてくれないのだろう?
 ”私”は義妹をいじめたりしていないのに。
「お義姉様は、今、領地で静養しています。だから、お義姉様の仕業じゃないですっ」
 それに、アイリーンだって……。どれだけひどいことを言ったりしたりしても、使用人扱いをしても……一度も体を傷つけるようなことはしてこなかった。