誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 綺麗……。だけれど。大好きな人の目の色は、報われない恋の色だ。
 切なさに、口に運んだお茶の味も分からない。
「落ち着いたかい?」
 カップのお茶が半分になったころに、ルード様に尋ねられた。
 落ち着くはずがない。好きなのだと認めてしまえば、ただただ好きな人が目の前にいることにドキドキしている。
 あとどれくらい、ルード様と過ごすことができるのか。何一つこの先の未来を思い描けない相手なのに。
「ドレスに、針が仕込まれていたと聞いた」
「え?針……ですか?」
 どうりで。木くずなどのゴミが入っているにしては痛いと思ったら……。
「あまり驚かないんだな?よくあることだから、驚かないのか?」
「えっと……」
 よくあること?ドレスに針が仕込まれていることが?
「仕立てたときにうっかり針が残ることは……ないかもしれませんが、よくあることでは……」
 どうしよう。ドレスなんて普段は着ることがないから、こういったことがよくあることなのかどうかも分からない。
 ルード様の顔が厳しい。
「差し出がましいようですが、よろしいでしょうか」
 侍女が口を開いた。
「万が一針が残っていて貴族に傷をつけるようなことがあれば、どのように罰せられるかわかりません。そのため、
土の工房もお針子は必ず作業の前後に必ず針の数を数えているはずです」
 そうなんだ。