誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

 ルード様が乱暴に私の手を掴むと、ずんずんと歩いていく。怒っているようにも見えるけれど、心配のあまりだと思う。
 私の身を心配してくれる。そのことで胸がいっぱいになった。
 馬鹿みたいだ。
 もう、私の胸の中はとっくにルード様でいっぱいだ。
 これが、恋なんだと。
 とっくに自覚している。
 ルード様にもらった花で作った押し花を見るだけで泣きそうなくらい幸せな気持ちになる。
 辛いことがあっても、これさえあれば、きっとこの先も大丈夫だと。そう思えるくらいに……。
 私は、ルード様が好き。
 分かっている。
 絶対にかなわない恋だと言うのは。
 ルード様は花を渡したのはアイリーンだと思っている。金の髪が美しいアイリーン。
 社交界の華だと言われるアイリーン。
 そして、私は……ヴァイオレッタ。遊んだ末に子供を身ごもり産んだことになるヴァイオレッタだ。生まれた子を盾に結婚を迫る女になる……。
 もし、本当は私の子じゃないと言えばどうなるんだろう?
 ……きっと、お父様は怒って私を修道院にでも入れてしまうだろう。そうなれば家族を作ることもできなくなる。
 それくらいなら、姪を我が子として、家族として生きていく方がいい。愛されるかどうか分からないけれど、夫もできる。もしかしたら子供も増えるかもしれない。
 叶わない初恋だと。分かっているけれど、どうか許してください。