誰の子か分からない子を妊娠したのは私だと、義妹に押し付けられた~入替姉妹~

「俺には、君に何も与えることはできない……弟の愚かな罪の責任を取らなければならないのだ」
 弟の罪?
「私は……ルード様に何かをいただこうとは思っていません。宝石もドレスも……それから将来の約束も」
 ああと、ルード様が小さく頷く。
 吐息が私の指先にかかる。
 びくりとそれだけで体中が熱くなる。
 ごくりと、ルード様の喉が鳴った。
「ヴァイオレッタ……罪の色……だ。初恋のひたむきさは……時として罪」
 ルード様が私が胸に刺したヒヤシンスに視線を落とした。
 ヴァイオレッタ……。ヴァイオレッタの名前をルード様が口にしたようでぎゅっと心臓が締め付けられる。そして、そのあとに続いた言葉に、今度は心臓に針でも刺されたようだ。
 花言葉のことを言っている……それだけのことだろう。
 でも、まるでヴァイオレッタの存在が罪のように言われているようで涙がこぼれそうだ。
「もし、許してもらえるならば、一緒にお茶をしてくれないか?」
 これ以上ルード様と一緒にいれば……。アイリーンに不名誉な噂が立つかもしれない。
 お父様はルード様の弟とアイリーンの縁談を考えている。
 その妨げになってしまうかもしれない。
 お茶の誘いを受けるわけにはいかない。
 断ろう。そう思ったのに。
「アイリーンのお姉さん……ヴァイオレッタのことを教えて欲しいんだ」
「え?どうして……?」